志木市で出会ったアルバイトの学生さん
筆者は埼玉県の志木市には縁も所縁も無いが、数年前、一度だけ知人のお子さんの音楽会に招かれて行ったことがあった。会場は確か「志木市民会館」というような名前だったと思う。志木駅から歩いて20分以上かかったと記憶している。招待状には駅からの道順が書かれていて、その通りに歩いて行った。しかし思ったより遠いし、果たして本当にこの道で正しいのか、何だか不安になってきた。その時、コンビニのある交差点が見えてきた。
時間に十分に余裕があったので、そのコンビニに入った。お茶などを買って会計を済ませる際、レジでアルバイト店員に尋ねた。「志木市民会館はこの道でよいのですか」するとその彼は親切にも、わざわざ表へ出て歩く道筋を丁寧に教えてくれた。普通は正しい方向だけを教えてくれると思うのだが、彼は違った。「まずは今のうちに交差点の向こう側に渡って、それから進んで行くと目印の案内板が左手に見えてきます」このように丁寧だった。
それまでは初めての土地で心細かったのだが、そのアルバイト店員に出会って一息つくことができた。一人のアルバイト店員との出会いによって、何だか志木市にも親しみが湧いてきたような気もした。程なく、目的の会場に到着した。音楽会も予想以上に素晴らしいものだった。プログラムが終わって帰路に就く途中、あのコンビニに寄ってみた。アルバイトの彼はもう帰った後だった。店長によると、今時珍しい真面目な学生さんと言うことだった。